選挙ポスター公営費詐欺事件

岐阜県における選挙公営におけるポスター製作費詐欺事件の推移について

 平成12年に公職選挙法の改正があり法118において公営費用に掲示板のポスター費用が無料として地方自治体が負担できることになりました。
 そのため、全国的に平成15年度の統一地方選挙から適用となり、自費製作分と分けて製作する義務が生じました。
 ご承知のように、選挙を行うためにはポスター等を選挙事務所に貼って意気を盛り上げる必要がありますし、または支援者に渡して私家においても室内に内向きに掲示して貰い喧伝活動に協力してもらう等のため、以前からすべてを自費製作していましたので、候補者にとっては有難い制度となったわけです。
 尚、この時の公営制度としてはビラの製作費や選挙活動で回る自動車費も始まりました。
 さて、この頃からそれぞれの選挙管理委員会がポスター製作に際して、掲示板分と自家使用分との区別をすること、そして一枚当たりの原価率を測り妥当にポスター費として支払って良いかなども、逐一細かく説明がなされていれば、ポスター費詐欺事件を起こすことなく、無駄な税金を支出することなく推移したのではないでしょうか。
 最近になって漸く、それらの告示前の説明会において、また収支報告書における不備の指摘が行われ、不正疑惑が解消するようになったように見受けられます。
 勿論、収支報告書の保存期間の問題と、そしてその報告書の訂正を受け付けることについて、候補者が保存していれば訂正が可能か、また選管が交付した複写文書によっても訂正が可能かの判例は恐らく今まで必要もなく推移したと思われますので、大切な税金が不必要に使用されたなら、可能な方策により血税を奪還せねばなりません。
 瑞浪市議会選挙において提出された平成15年度分については、加賀達士氏が情報公開請求で取り寄せた記録が私の手元に集まってきたことに始まります。
 当時加賀氏は、瑞浪市長選挙に関しての調査をされており、また瑞浪市議会議員選挙についても調べておられましたが、最終的には水野光二氏との2名分だけが残されています。
 そして、平成19年になりますと6月8日(金)から岐阜県警が山県市の現職市議5名をポスター製作費用水増し受給した疑いにより、新聞を始めとしてテレビや週刊誌において大きく取り上げられることになりました。
 瑞浪市においても、6月15日(金)にハガキ代の水増し疑惑が生じ、以後は2月に行われた市議選の収支報告書を調査することになったわけで、当時の現職市議や候補者であった者は当然に訂正する必要が生じたはずです。
 そして、美濃市においては平成20年2月5日に水増しをしていた市議2名が訂正、その後も続々と訂正がおき、結局当選市議13名中、12名が水増しを訂正したという、ある意味美談英断であったと記録されました。
 さて、刑事事件としての詐欺事件は7年として失効していますが、民事事件としての時効は20年であり、未だに解明できない問題に対して、公僕としての良心を問うべく、また司法の判決を求めるべく、立件オンブズマン岐阜の活動を進めて参ります。

新聞記事の一部抜粋

日 時新聞社名見出し・小見出し・概要
平成19年6月9日中日新聞岐阜・山県市 選挙公営制で詐欺か
ポスター費水増し受給 県警市議らを聴取
平成19年6月9日中日新聞山県市の選挙公営制 ポスター費大きな差
最大差額25万円「良心、倫理の問題」
平成19年6月9日岐阜新聞山県市議ら数人聴取 04年市議選ポスター代
市に水増し請求 県警、詐欺容疑で
平成19年6月10日中日新聞山県・選挙公営詐欺疑惑 「水増し分」は市議に
ポスター製作費業者から10万円
平成19年6月10日岐阜新聞山県市議選ポスター代 印刷業者、水増し認める
実費より高い単価「候補者も認識」
平成19年6月12日中日新聞山県・選挙公営制 市議が口裏合わせ要求
ポスター水増し 捜査前、印刷業者に
平成19年6月12日岐阜新聞山県市議選ポスター代 複数の市議、水増し主導
印刷業者証言 10万円還流指示も
平成19年6月13日中日新聞山県市議 ポスター費詐取 疑惑の市議 謝罪せず
市議会開会 説明求める声もなし
平成19年6月13日讀賣新聞選挙公営ポスター製作費調査 請求額に大きな開き
平成19年6月14日中日新聞瑞浪市議も水増し 選挙ポスター はがき代も含む
平成19年6月14日朝日新聞ポスター代 瑞浪市議も水増し
業者証言、4人が上限額
平成19年6月15日岐阜新聞市議選ポスター代 瑞浪市議も水増し
対象外のはがき印刷
平成19年6月15日中日新聞瑞浪市議選ポスター費 上限額請求は4人
はがき代公費負担 業者「暗黙の了解」
平成19年6月15日朝日新聞瑞浪市議選の請求突出 作製費 平均30万円
11人、上限の95%超
平成19年6月16日朝日新聞山県市議ら5人謝罪 水増し 手口語らず
違法性「事情聴取で認識」 進退「今は考えていない」
平成19年6月16日朝日新聞水増し瑞浪市議 はがき代報告 選挙運動収支
平成19年6月29日東濃新報二人の市議の茶番劇
平成19年7月7日岐阜新聞山県市議選のポスター代水増し請求
選挙公営制度揺れる自治体 県内、見直しの動きも
高い限度額、モラル低下に批判
平成19年8月7日中日新聞ポスター費詐欺 山県市議1人が辞職
業者から10万円受領
平成19年9月24日中日新聞選挙公営ポスター製作費水増し
不正チェックの仕組みを
平成19年9月27日中日新聞選挙公営詐欺「自主解散」は継続審査
山県市議運委 辞職勧告 市民が請願に
平成19年9月28日岐阜新聞ポスター代水増し請求 自主解散の請願書
山県市議会継続審査に
平成19年9月28日中日新聞辞職勧告請願を否決
山県市議会「自主解散」継続審査に
平成19年11月27日岐阜新聞山県市議会議運委 解散請願を採択
ポスター代水増し請求 来月、市議会で採決へ
平成19年11月27日中日新聞山県市議会 自主解散強まる
議運委 請願「採択相当」決める
平成19年12月7日朝日新聞公費負担の選挙ポスター代 美濃市議も高額請求
平成19年12月7日讀賣新聞選挙公営制度の改善求め質問状
美濃市議に市民団体
平成19年12月8日岐阜新聞美濃市議、ポスター代高額請求
公開質問状送付へ 市民オンブズマン
平成19年12月20日岐阜新聞ポスター代水増しで山県市議会 解散請願を不採択
「決断期待したのに」市民ら落胆
平成19年12月20日中日新聞山県市議会 信頼回復険しい道のり
自主解散不採択 同僚追及 及び腰
平成19年12月20日中日新聞自主解散の請願不採択
ポスター費問題で 山県市議会
平成19年12月21日岐阜新聞山県市議選ポスター代水増し
市議ら12人起訴猶予 岐阜地検「弁償済み 反省」
市民から疑問の声「全員起訴猶予、なぜ」
平成19年12月28日中日新聞ポスター代水増し 市民 不正どう判断
解説「山県市議選ポスター製作費水増し請求」
平成19年12月30日中日新聞美濃市議選ポスター費 質問状の回答不満足
オンブズ廃止申し入れへ
平成20年1月10日中日新聞「審査会の判断 期待」
山県市議選のポスター費水増し 申し立て市議会見
平成20年1月10日岐阜新聞ポスター代水増し 検察審査会申し立て
山県市議ら「2議員の基礎猶予 不服」
平成20年1月18日中日新聞政治倫理条例制定を
山県市の2人 直接請求手続き開始
平成20年1月18日岐阜新聞選挙公営制度廃止市議会に申し入れ
美濃市民オンブズマン
平成20年1月19日中日新聞 「公費負担」廃止を
美濃市議会にオンブズマン ポスター費など
平成20年1月19日岐阜新聞選挙公営制度廃止 市議会に申し入れ
美濃市民オンブズマン
平成20年2月6日中日新聞一部市議が費用返還
美濃市議選公費負担問題 契約書の訂正も
平成20年2月6日岐阜新聞選挙カー燃料代・ポスター費
美濃市議が不適切請求
昨春の市議選 市、数人に過払い
平成20年2月6日毎日新聞昨年4月の美濃市議選 現議長ら3人水増し請求
選挙カー燃料代など 市に訂正願提出
平成20年2月7日岐阜新聞美濃市議選ポスター作製費 市議5人が訂正願提出
平成20年2月8日毎日新聞美濃市議選水増し請求 新たに現職6人
市選管に訂正願提出
平成20年2月8日岐阜新聞美濃市議選ポスター作製費
新たに3人が訂正願 計12人に
平成20年2月8日中日新聞新たに8市議 訂正願
美濃市議選ポスター費 市への契約書、計12人
平成20年2月15日岐阜新聞選挙公営制度 廃止求め再び要望書
美濃市民オンブズマン 市議会に提出
平成20年2月15日朝日新聞選挙ポスター代 公費負担廃止を
美濃のオンブズ要望書
平成20年2月15日中日新聞議会活性化委公開 公費廃止を再要望
美濃市民オンブズ
平成20年2月19日中日新聞必要数の署名確保へ
政治倫理条例の制定を直接請求 山県市の2人
平成20年2月20日岐阜新聞選挙公営制度 美濃市議会が「存続」
市民オンブズマンに回答
平成20年2月20日中日新聞選挙の公費負担制度 存続を回答 美濃市議会
平成20年2月23日中日新聞市選管に811人分署名
政治倫理条例の制定を直接請求 山県市民が提出
平成20年2月26日中日新聞ポスター費 市負担半額以下に
選挙公営条例改正案 恵那市が提出へ
平成20年2月26日岐阜新聞選挙公営制度の市負担金を減額
平成20年2月27日岐阜新聞ポスター代水増し 3度目の不起訴
山県市議選めぐる事件